チャンピックス(バレニクリン)で心血管イベントの増加?

チャンピックスというお薬に関しましては当院でも禁煙治療に使っているお薬です。

このお薬に関して「心血管イベントの増加」のおそれ、との報道がありました。

「心血管イベント」とは「心臓病(狭心症心筋梗塞など)」のことで、要するに「心臓病が増加した」ということです。


一言でそう書いてしまうとびっくりするお話です。


今回、米食品医薬品局(FDA)が調べた結果とのことですが、調査の対象となった症例がやや少なめでした。症例数も情報がいくつかあって(最近こういうの多いですよね)「700例について調べた」とか「8200人について調べた」とからしいです。

しかしいずれにしても700とか8200とかいう数字はちょっと少ないのではないかな、と思っています。

だからと言って危険の「可能性」というのは結局「数」ではないと個人的には思ったりもしているので引き続き同様の報告などには注意していないといけません。それだけは確実に言えることです。


また、実際の診療にあたっても今すぐにこのお薬をやめるとかそういうことは考えておりませんし、その必要性も「?」です。


現実的には実際に投与した患者さまのお話を聞きながら判断していくしかないのではないかと思います。


今のところ「心血管イベント」が見られたと思しき患者さまは経験しておりません。絶対数が少ないので何ともいえないところもありますが、禁煙外来自体は非常に重要な治療のひとつですから今後もできる限り継続していく予定です。